一橋大学柔道部

魂魄留道場~東京国立・有備館より~

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2012年02月月報

<02月月報内容>寒空の下“アツイ”有備館
*目次
1.野瀬師範ご挨拶
2.副主将挨拶&決意表明(丸山起明)
3.2月取り組み目標
4.2月イベント
5.OBリレートーク(柿元先輩 H21年卒)
6.寒稽古を終えて
7.編集後記

1.野瀬師範ご挨拶

一橋大柔道部再生に向けて
柔道部師範 野瀬清喜
2012年を迎え一橋大学柔道部及び卒業生諸兄のご多幸とご発展をお祈りいたします。
さて、私のほうは12月29日より1月8日まで味の素ナショナルトレーニングセンターで全日本女子強化合宿に参加し、その後、13日から16日の間は、カザフスタンのアルマトリ市のマスターズ(世界ランキングベスト16を集め大会)を視察してきました。
このような事情で一橋大学有備館の寒稽古は最終日のみ、僅かな時間の参加となってしまいました。寒稽古は学生と浅賀先輩をはじめとする多数のOBの参加で活気にあふれていました。稽古後、お汁粉と成人祝いのお酒をいただき解散となりましたが、多くのOBの温かい励ましの言葉とご指導があり、学生たちと共に有意義な時間を過ごすことができました。
今年は例年とは異なり私にとっても特別な年です。大学教員として30年目の区切りの年であり、還暦を迎え60歳になります。任期も残り少なくなり今後の使命と天命を考えさせられる毎日です。
昨日、全日本選手権予選の埼玉県選手権大会が開催され、同期や後輩がひな壇に並ぶなか、私は相変わらず監督席に陣取っていました。これは地方国立大学教員の使命であると覚悟しています。日常の稽古や学生の頑張りを支える原点は監督席で選手を叱咤激励することです。明日からは別の公職である全日本女子ジュニアヘッドコーチとしてベルギーのアーロン市に高校生たちと共に向かいます。山間部にあるアーロン市の試合場とホテルの間は、長靴を履いて徒歩で懐中電灯を持参して往復する予定です。
このような長い現場生活の中、マスターズ大会日本選手の全試合を観戦し、一つの確信に至りました。柔道には「一本勝ちを目指す美しい柔道」と「ディフェンスを固め攻め抜く強い柔道」があるということです。いくら美しい柔道をしても勝利を得なければ「強い」とは言われません。勝利を得ることは国や所属組織の発展にとって重要な意味を持ちます。一橋大学柔道部の目指す柔道は、「勝つ柔道」です。
もうひとつの反省は、「自分は今まで美しい柔道を目指す中、選手の個性を殺してしまっていなかったか」ということです。人間には生まれ持った資質があり、いくら努力しても身長や手足は伸びないし、顔かたちも変わりません。まず、自分の個性を認め、相手の長所を認めることから始めないと勝利は望めません。次に、自分自身を受け入れ長所を見つけ出し、それを伸ばすことが個性になっていくと感じます。当然、勝つためには組織としての個性も必要になります。
中国の故事に「百聞は一見に如かず」とありますが、物事を成したり戦いに勝ったりするには、「情報」が何よりも大切です。情報は多いにこしたことはありませんが、すくない情報でも正しく分析する能力こそが「考える力」であると思います。ここまでの過程を終えたら、それを実行に移す「決断力」「戦略」も大切な「人間力」です。
一橋大学柔道部は4月から2年生と大学院生のみのクラブとなります。新一年生の勧誘が大切な課題となりますが、若いクラブとして生まれ変わる可能性も持っています。また、上級生がいないという「短所を如何に長所に変えていくか」、これこそが戦略になると考えます。もう一つの戦略としては、埼玉大、千葉大、学芸大の柔道部との交流です。大海を知るには準備期間も必要で、まず、様々な集団と交流を持ち見聞を広める体験を重視することが求められます。新2年生は心の準備は出来ているので、これからは「体験知」をたくさん得ることです。
とりとめのない文となりましたが、大月部長、中田コーチ、大学院生と共に新歓活動、柔道部の強化活動を支援していきたいと存じます。今年もOB諸兄の旧倍のご指導をいただけることをお願いし、ご挨拶に変えさせていただきます。

2.副主将挨拶&決意表明(丸山起明)

副主将 丸山起明
副主将を拝命しました丸山起明と申します。宜しくお願い致します。自分は白帯から始め、一橋柔道部の副主将という肩書きにはまだまだ実力が見合っていないというのが現状です。その名に恥じぬよう、全力で稽古に取り組んでいこうと就任につき改めて思う次第であります。柔道の実力を伸ばしていくというのはもちろんのことですが、副主将という立場に立った以上、主将とともにチームを引っ張っていくという役割についても自覚させられます。新二年生のうちから主将という重責を背負った板羽をサポートし、自らが率先することでチームの雰囲気を盛り上げていくことが自分の役割だと思っています。
一橋大学柔道部は今年四年生が引退し、新二年生だけのチームとなります。少ない人数でも質の高い稽古を行い、そして状況を打開するためにより多くの新入部員を獲得することが今後の課題です。まだまだ分からないことも多く、先生方、先輩方にはご迷惑をおかけすることもあると思いますが、ご指導、ご鞭撻のほど宜しくお願い致します。

・今年の目標
立ち技で経験者相手に食いつけるようにする。相手が技を出すたびごとに投げられていては話にならないから、体さばきで対処できるものは対処できるようになる。
・3年後の目標
取り役になること
・具体的に取り組むこと
背負いについて、5本に1本くらいはいいタイミングで入れていると思う。ただ相手を投げるまでには至っていない。横国大で言われたのは、体勢に入ったあと腕が引けていないということだった。力の使い方、力を入れるタイミング、投げ込みや三人打ち込みで磨いていけるようにしたい。組手、体さばきについては経験をこなすことしか上達する方法が思い浮かばない。板羽相手に好き勝手させないレベルまでには早く到達したい。
・伸ばしたい、改善したい所
体重を増やしたい。70キロ程度がベストだと思う。現在61キロでなかなか伸びていかないが、食事、筋トレを挫けずに継続していく。

3.2月取り組み目標
・ラントレ・筋トレによる体力向上
・高校への出稽古で、経験を積むとともに勧誘活動
・反復練習の徹底
・受験生応援活動

4.2月イベント
・4日、11日の土曜日は有備館にて練習会を行います
☆体力強化のため走り込みを稽古前に行なっています
☆(9:00~西キャンパスグラウンドにて)稽古は10時頃開始予定
・県立千葉高校稽古に参加 18日
・浅野高校稽古に参加 25日

5.OBリレートーク(柿元先輩 H21年卒)
平成21年卒 柿元將希
 植松先輩よりバトンを受け取らせていただきました。
今年度は,私が4年時に1年生であった山田,丹羽,山岸が,部を引っ張って三商に臨み,ここ数年にない勢いと気迫をもって熱戦を演じてくれました。結果は残念ではありましたが,彼らの4年間の営みが凝縮されたような好勝負でした。こうした彼らの取組みが,勝敗とは別の面で,一橋大学柔道部の歴史を確実に紡いだといえることは,たくさんのOBが再び有備館に戻ってきてくれたことからも明らかであると思います。4年生の皆さん,4年間本当にお疲れ様でした,そしてありがとうございました。
 さて,話は変わりますが,私が4年間の柔道部生活で何を掴んだかと聞かれたら,答えは「気持ちの強さ」であると思います。正直なところ,私はもともと弱気な方で,特に3年生くらいまでは試合でも実力を出せないことが多くありました。しかし,野瀬先生や中田コーチに「気持ちで負けたらダメだ」と言われ続け,最後の方になってようやく勝負する気持ちの大切さを理解し,以来,実力はどうあれ気持ちでは後れをとらないようになれたと思います。そしてこのことは,柔道以外の面で今でも強く実感し,大きな財産になっています。
 こうした経験に照らして,これから部を担っていく1年生に伝えたいことは,柔道部の活動を通して「勝負する/物事に挑んでいく気持ちの強さ」を培ってほしいということです。近年草食男子云々と盛んに言われておりますが,そんなものは,物事に挑まずにやり過ごすことを肯定するために,気持ちの弱い人間が作り出した便法にすぎません。今の日本は,能力がありながらそれを活かそうとしない人が多すぎるのではないでしょうか。能力のある人間は ― 日本の現状,未来を鑑みれば特に ― 強い気持ちをもってどんどん困難に挑戦し,世の中を発展させ,物事を変えていかなければならないのです。君たちは一橋大学に入学し,柔道部で活動をしている時点で,既に能力があることはお墨付きを得ています(このことは諸先輩方が身をもって証明してくださっている通りです)。ですから,あとは気持ちの強さを養い,その能力を遺憾なく発揮していくことがとても重要だと思うのです。
柔道は,気持ちで負ければ,実力では勝てる相手でも投げられてしまうし,逆に気持ちで勝てば,少しくらい実力が上の相手でも投げることができたりします。また,面白いことに気持ちが前に出れば今度は相手が下がっているのが一目でわかるようになります。まさに気持ちの強さが端的に表れる「武道」です。こんな好適な環境は他にないと思います。板羽主将をはじめとする現役部員には,この環境を存分に活かして気持ちの強さを涵養していってもらいたいと願っております。そして,それができれば,必然三商においても,その後のいかなる活動においても,大きな成果を挙げることができると確信しております。
今後の皆さんの成長を楽しみにしております。

7.寒稽古を終えて
副主将 丸山起明
「寒稽古はもっとヤバイぞ…」
そういった言葉を寒さがはっきりと感じられるようになった10月、11月頃から耳にしていましたが、自分たち一年生にとっては「そもそも寒稽古って何?」というのが正直な感想で、その恐ろしさを当時はまだ知りもしませんでした。しかしその実態はいつもの谷保ランを柔道着を着て行い(しかもインナーは着用不可、しかもいつもより一時間早い6時から)帰ってきたあと柔道をするという驚愕のものでした。寒さが深まるにつれ、国立の朝6時がどれくらい寒いか想像できるようになってくると・・・・現実から目を背けたくなりました。12月、横浜国立大学に出稽古に行ったあと、先方の学生と一緒に食事をする機会がありました。その時、寒稽古の話になったわけですが、「一橋はそんなことやってんの?!うちも寒稽古はやるけど、そんなことはやらないわー」と言われました。寒稽古というのはどこの学校も昔からやっている普遍的な行事だと聞きますが、それでも一橋のそれは他大学の方には奇異に見えたようです。そんなこんなで、寒稽古初日1月16日。いざ有備館に集まってみると・・・「あれ?それほど寒くない?」確かに身も震える寒さですが、耐えられなくてどうしようもないというというほどではありません。これはラッキー?と一同思っていましたが、その安堵も束の間、二日目、三日目と経るにつれ、体感温度はグングン下がって行きます。それもそのはず、寒気が近づいて来ていたようで、最終日と最終日前日にはみぞれ混じりの雨が降りました。最後に待ち受けていた、寒稽古の真の試練になんとか耐え抜き(寒くて眠くて頭も働かない)無事けが人もなく寒稽古は終了となりました。最終日の稽古には野瀬師範がご来場され、我々はお汁粉を用意して振る舞いました。お汁粉と、野瀬先生から新成人のお祝いとして頂いた、銘酒・八海山を堪能し安堵する一同。その後は部室のコタツでだらだらと暖かさを満喫していました。
さて何も考える暇もなく寒稽古を乗り切った我々でしたが、寒稽古の意味はどこにあるのでしょう。とある先輩は「技術云々より、根性を鍛えるものだから。四年間皆勤することに意味がある。自分は四年生の時の最終日のランに遅れて、皆勤にならなかった。そのことをずっと引きずって、毎年寒稽古に参加している」と語ってくださいました。最終日前日には総会があり古澤先輩がお話をしてくださいました。「確かに非効率的な稽古方法かもしれない。体は冷えるし、怪我もしやすくなる。投げられて畳に叩きつけられた時はとても痛い。それでも相手に向かっていく。気持ちでは負けない。そういうのが大切じゃないのか」
論理的に考えればメリットの少ない稽古方法かもしれません。それでも寒稽古をやる意味はあると思います。なぜなら自分には6日間やり抜いたという誇りと自信(まだ1/4ですが)、こんなに辛いことを耐えたのだから生半可なことでは挫けないぞ、という気概が生まれたからです。この努力を無駄にせぬよう、全力でこれからの稽古に取り組んでいきたいと思います。
長々とした文章になってしまいましたが、最後まで読んで下さった方、ありがとうございました。

8.編集後記
お忙しい中、記事を書いてくださった野瀬先生、柿元先輩、ありがとうございました。
さて月報の担当は持ち回りとなることが決まり、本号は副主将丸山が担当しました。来月は主務の古川が担当する予定です。
引き続きご愛読の程よろしくお願い致します。
以上
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